モナーコイン・ビットコイン勉強会@東京。

2014/3/15

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いま BitCoin といえば胡散臭いイメージがあると思います。初期に関わっていた人が莫大な利益を得ているのを見てなんだか不公平という気持ちからの反発もあるでしょう。

Mt.Gox 事件では顧客の預けた BitCoin が行方不明になりましたが、現実の金融でも2006年に FX 札幌で顧客の預けた資金が横領されるという事件があり、当局が規制に乗り出して、顧客資金は信託銀行に預けて毎日監査される仕組みになったそうです。2008年のリーマンショックでも節度なく博打に邁進したあげく倒産した金融機関があり、その反省から当局が規制を強化しました。

事件と規制を繰り返すのが金融の歴史であり、デジタルマネーも同様に事件と規制を積み重ねつつ、廃れずに発達していくだろうという見通しを聞いて、なるほどと思いました。US と UK では既に、デジタルマネーの顧客資産保全に対応した企業が出来たそうです。勉強会でこの話をした講演者は、仕事でファンド組成をやっている方ですが、彼も取引の安全の仕組み作りを研究しているそうです。

デジタルマネーが盛り上がっているのは、やはり値上がり期待からだと思います。しかしいま Coin を発掘している講演者の話を聞くと、もはやさほど美味しい話では無いようです。設備費用に加えてたいへんな電気代がかかるようで、具体的な数字もありましたが儲けだけじゃなく好きでやってるんだなと思いました。彼らの存在が(そして電気の浪費?が)システムの安全性維持に欠かせないので、むしろご苦労様という気さえします。

投機とは別にデジタルマネーには、取引にかかる手数料が小さいため少額でも決済ができるというメリットがあります。今までになかったサービスが創造できるチャンスがあり、これも起業家や開発者の参入動機になっています。

聴講者の中に、個人で小規模な農業をやっているという青年が来ていました。農協や流通を通さない消費者との直接取引で、値段も定価じゃなくて払える人に多く払ってもらうような取引をやっていて、デジタルマネーに興味を持っているそうです。金額的な規模はかなり小さいようですが。

活発な Q&A から見えた参加者の共通認識の一つに「 Coin を持つ者が手放さず流通していない」「使う場所が少ない」があります。Coin を多く持っている発掘者は投資回収のため値上がりを期待してなかなか手放さない。流通量が少ないところに投機目的の人が入ると交換所の在庫はすぐに底をつき、Coin が入手できないため新規の利用者が増えにくい。経済が回らない。もっと Coin を使うようにしなければ。といった声が聞かれました。

今回私が参加するきっかけとなったのは、2/26の未踏交流会で日本デジタルマネー協会のフェローの方から BitCoin の話を聞いたことでした。それまでニュースを読んでも不明だった仕組みが、協会のホームページサトシ論文 を読んでいろいろ分かりました。ですが新たな疑問も出てきました。悲しいことに自力で解決できません。そこで、分かっている人に会って聞くのが良いだろうと足を運びました。

結果、何人かの詳しい方とお話しすることで、いくつかの疑問が解決してすっきりしました。すっきりするとその先が考えられる気がします。少額だけどモナーコイン(Paper Wallet)も購入しました。現物が手元にあればいろいろ試すことも出来ます。

会場には70人ぐらい入っていたと思います。ニコ生は約1000人が視聴したようです。講演者は、デジタルマネー取引所の管理者、開発者、トレーダー、発掘者、知財管理者、金融業従事者、起業家といった多彩な立場の方でした。それぞれの立場から、実態や、法律的な見解や、将来の見通し、アナーキーな可能性までを語り、会場やニコ生視聴者からの質問に答えるという内容。登壇者の幅が広くて予想以上に理解が深まりました。

講演者も参加者も10代、20代の若い人が中心で、つながりは(facebookじゃなく)twtterがメインでした。今まで少し使っては放置を繰り返していたtwitterですが、ようやく使いごたえが出てきました。



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